vol.2

肌になじむ「アースカラー」を華やかに着る方法

ファッションエディターであり、スタイリストである大草直子さんがプルミエ アロンディスモンのアイテムから着こなしを提案する特別企画。今シーズンは「夏にこそ着たい色」をテーマに全2回でお届けします。vol.2は「アースカラー」がキーワード。ややドライな自然の色は肌によく馴染み、まさに夏を象徴する色。大草さんはどう着こなすのか?

4つのコーディネートを提案いただきました。

Coordinate 01

甘さと辛さ。そして大人のエレガント。

すべてを持ち合わせた「ティアードワンピース」

  • 甘いデザイン、辛口な色、素材のエレガントさ。大人のおしゃれに大切な要素がすべて集約された贅沢なワンピース。どれかひとつが突出することもなく、バランスよく纏えます。リネンを混紡した上品な光沢のあるサテン素材は肌触りもよく、分量感もあって、風が抜けるので、真夏でも涼しい一枚。襟元がスキッパーになっていて、肌見せのバランスも絶妙。カーキを始め、アースカラーは肌なじみがいい一方で、ともするとぼけてしまうことも。このワンピースのように覆いすぎず、バランスよく素肌が出るデザインを選ぶと、夏のアースカラーにメリハリがつきます。

    Coordinate 02

    日常で着る、新スタンダードな

    サファリスタイルを叶える「セットアップ」

    グリーンに少しグレーを混ぜたような色合いが美しいテンセルリネンのセットアップ。サファリテイストなブラウスとパンツですが、とろみのある素材、比翼ボタン、フレンチスリーブといったディテールのおかげで、マスキュリンになりすぎません。ノースリーブですが、肩を上手に隠してくれるデザインもいいですし、風が抜けるほどよいゆとりも着ていて心地いい。着ていても、見た目にも涼しげなので、真夏でも快適です。小物次第ではお仕事シーンや少しかしこまった場にも着て行けるし、ブラウスの裾をアウトして、足元にビーチサンダルを合わせればぐっとリラクシーに。幅広く着られるセットアップです。

    Coordinate 03

    ニュアンスのあるアースカラーのレイヤード。

    クリアな白を小物で効かせ、輪郭をはっきりと

  • ひとつひとつのアイテムの色も素材も何ともいえないニュアンスのあるものだけを重ねたコーディネート。じわっーと滲むように色を重ねたところに、小物でクリアな白を効かせると、曖昧だったアースカラーの輪郭がはっきりします。着こなしの要になっているロングカーディガンは、夏の羽織りとして、合わせるアイテムを選ばない本当に使い勝手のいいアイテム。清涼感のあるリネン混素材で、さらっとした肌触りです。たっぷりとした袖と、長く取られた袖のリブのコントラストが、シルエットに緩急をつけてくれるのと、シアーな素材感なのでロング丈でも重く見えません。

    Coordinate 04

    アースカラー×白。ロング&ワイドで

    夏のラグジュアリーを楽しむ

    白のカフタンも合わせたカーキのボトムもロング&ワイド。ここまでボリューム感のある着こなしは私にとっては新鮮で、そしてとてもラグジュアリーになれるという発見がありました。カフタンの素材にとろみがあったり、合わせたボトムが細身だったら、ここまでの雰囲気を作ることはできなかったはず。ぱりっとしたタイプライター素材のカフタンは動いているときもシルエットが美しく、遠目にも華やか。白の分量を多くすることで、コーディネートの明度が上がり、アースカラーの色も際立ち、アースカラーだけでまとめるときとはまた違った表情を見せてくれました。

    ちょっと地味になりそう、そんなイメージを持たれることも少なくないアースカラー。でも、アイテム選びや配色でこんなにも華やかでエレガントなスタイルを作ることができるのです。大草さんのスタイルを参考に、「アースカラーのある夏」を楽しんでみてくださいね。

    スタイリスト:大草直子

    大草 直子 エディター、スタイリスト

    1972年生まれ。東京都出身。大学卒業後、現ハースト婦人画報社に入社。雑誌の編集に携わった後、独立。ファッション誌を中心に大人の女性のためのスタイリングを提案するかたわら、イベント出演や執筆業にも精力的に取り組む。2019年4月には新しいメディア『AMARC』を立ち上げ、2021年秋には紙媒体の『AMARC Magazine』を創刊。現在、6月発売予定の第2号を準備中。『飽きる勇気』『大草直子のSTYLING&IDEA』ほか著書多数。

    Styling NAOKO OKUSA

    Photos Shungo Tanaka(MAETICCO)

    Hair&Make-up Tomoko Kawamura

    Edit&Text Rina Koyama, Ayako Suzuki(HRM)